毎日使う化粧品は、お肌になるべく負担がかからないものを選びたいと言う人も多いと思います。敏感肌や不安定なお肌の人は特にそうですよね。
無添加化粧品、自然派化粧品、オーガニック化粧品と聞くとなんとなく良さそうなイメージがありますが、実際にどんな成分が使われているかが分かりにくいものです。そこで今回は「天然成分の化粧品」についてお伝えしていきます。
目次
1.化粧品の天然成分とは?
2.天然成分①オーガニック化粧品とは?
3.天然成分②自然派化粧品とは?
4.天然成分③無添加化粧品とは?
5.天然成分の化粧品がおすすめの肌質
6.天然成分の化粧品アイテム
7.天然成分の化粧品の注意点
8.まとめ
1.化粧品の天然成分とは?
化粧品の天然成分とは、オーガニック化粧品は有機栽培で栽培された植物を使っているということで、自然に由来する植物から成分を抽出したものを原料としていることを指しているので、広い意味で使われることが多いです。
一般的に鉱物油やお肌に負担がかかるような成分ではなく、植物由来のお肌に負担が少ないものを使っているという化粧品の成分全般を指します。
しかし、日本にはオーガニックコスメや天然成分に対する明確な厳しい基準値がありません。「天然成分」や「天然由来成分」と名乗ることができ、ほんの少しでも有機栽培の成分が使用されている化粧品はオーガニックコスメといえます。
ざっくりと分けると「植物由来」「刺激が少ない」化粧品といえます。
2.天然成分①オーガニック化粧品とは?
オーガニック化粧品と言うとなんとなく良いイメージがありますが、何のことを言っているのかが漠然としていることがあります。
最初に「オーガニック化粧品」についてお伝えしていきます。
2-1.有機栽培で作られた植物が原料になっている
オーガニック化粧品とは「有機栽培で作られた無農薬の植物性の原料を使用して作られた化粧品」と言うことになります。
オーガニックとは化学肥料や化学農薬を使わない有機栽培のことを指します。オーガニックコットンなど「オーガニック」と言われるものは全て無農薬の有機栽培で生産されていることを言い、その基準値は国によっては非常に高く、何年間有機栽培を続けているものと厳しく定められているところもあります。
そのためオーガニック化粧品は有機栽培で育てられた植物性の原料を使っている化粧品と言うことになります。
2-2.日本には明確な基準値はない
海外では「オーガニック」と名乗る商品には厳しい審査が設けられています。
有機栽培で育った植物というだけではオーガニックと名乗ることはできません。有機栽培で何年か育ち有害ではないということが認められ細かな基準をクリアできて初めてオーガニックと名乗ることができます。
しかし残念ながら日本ではオーガニックと名乗るための明確な基準値がありません。オーガニック成分を1種類ごく微量配合されているだけでもオーガニックと表記して販売することができます。
2-3.オーガニックの成分以外のものが配合されている場合もある
先ほどお伝えしたように日本ではオーガニック化粧品という基準が明確ではなく曖昧です。
いくらオーガニックの成分が配合されていたとしても、それ以外にお肌に刺激になるような成分が配合されている場合、お肌に反応が出てしまう可能性もあります。オーガニック化粧品だからと言って全てが安全と言うわけでは無いので気をつけましょう。
3.天然成分②自然派化粧品とは?
次に天然成分が使われている化粧品の名称として「自然派化粧品」と言うものがあります。
次は自然派化粧品の特徴についてお伝えしていきます。
3-1.植物由来の原料を主成分にしている
自然派化粧品とは植物由来の原料の成分を主成分にしている化粧品のことを指します。
オーガニック化粧品と似たところがありますが、オーガニック化粧品の原材料が有機栽培で作られた植物ということに対して、自然派化粧品は科学的な成分をできるだけ排除し、植物性のもので作られた化粧品ということになります。
ナチュラルコスメともいわれることがありますが、原材料に天然由来のものや低刺激のものを使っているものの、自然のもののみで作られているというわけではありません。
3-2.防腐剤や安定剤も使用されている
自然派化粧品は植物エキスを使用して製造されていて合成成分や危険な成分はなるべく使わないようにされています。
しかし安定剤や防腐剤は全く入っていないと言うわけではありません。必要最低限の成分は使用されていることがあります。お肌が自ら生まれ変わる力をサポートし、お肌に負担をかけず幅広い肌質や世代の人に使える化粧品といったところです。
3-3.自然派化粧品も基準は曖昧
オーガニック化粧品と同じく自然派化粧品にも明確な基準値はありません。
基準が曖昧なので、販売元や各メーカーが自然派化粧品として売り出すことで自然派化粧品になります。それぞれのメーカーでおすすめの美容成分や特定の植物に着目し、こだわって製造されている事が多いです。
自然派と言うとやはりお肌に負担になるような成分は少ない配合なので、お肌に負担がかかる化粧品を避けたい人は自然派化粧品はおすすめです。
4.天然成分③無添加化粧品とは?
次は「無添加化粧品」についてお伝えしていきます。
イメージとしては無添加化粧品イコールお肌に負担をかけず敏感肌の人でも使えるというイメージがありますが、オーガニック化粧品や自然派化粧品との違いをお伝えしていきます。
4-1.無添加化粧品とは特定成分不使用の化粧品
無添加化粧品とは「特定の成分を使用していない化粧品」のことです。
特定の成分と言うのは、アレルギーなどを引き起こす可能性のある約102種類の成分(旧表示指定成分)とされています。現在では全成分表示制度となり旧表示指定成分を含まないものという定義が廃止されていますが、大まかに言うとアレルギーやかぶれなどを引き起こす可能性のある成分を配合していない化粧品のことを言います。
4-2.添加物フリーでも反応する場合もある
お肌に反応が出る可能性がある成分として合成界面活性剤、パラベン、防腐剤、合成着色料、香料などといった反応が出やすい成分は配合していないといわれることが多いです。
しかしパラベンや防腐剤を使用していなくてもそれに代わる成分が使われている可能性があったり着色料や香料なども天然のものだとしても反応する人もいます。一般的な化粧品と比較して反応は出にくい化粧品です。
4-3.無添加化粧品の定義はない
オーガニック化粧品や自然派化粧品と同じで、「無添加化粧品」にも明確な定義はありません。
無添加だからお肌に反応しないというわけではないので、敏感肌やお肌に反応が出やすい人はどの成分でどんな反応が出るかということを知っておく必要があります。
〈天然成分の化粧品比較〉
原材料・由来 |
刺激・反応 |
オススメアイテム |
オススメ度 |
|
オーガニック 化粧品 |
有機栽培の 原材料 |
起こりにくい |
基礎化粧品 |
★★★★☆4点 |
自然派化粧品 |
植物由来の 原材料 |
低めだが起こる可能性あり |
メイク・コスメ |
★★★☆☆3点 |
無添加化粧品 |
反応が出る可能性の成分 無配合 |
起こりにくい |
化粧品全般 |
★★★★☆4点 |
5.天然成分の化粧品がおすすめの肌質
次に天然成分が配合されている化粧品がオススメの肌質についてお伝えしていきます。
天然成分の化粧品を選ぶ人はお肌に良いものを選びたいと言う人や、一般的な化粧品が反応しやすい敏感肌の人が多いと思います。どんな肌質の人が天然成分の化粧品がオススメなのかをお伝えしていきます。
5-1.化粧品に反応しやすい肌質の人
天然成分の化粧品がオススメの人は、敏感肌の人や化粧品での反応が出やすい人です。
化粧品が反応する場合、防腐剤や合成成分、色素など人工的に作られたものに反応するケースが多いです。もともとお肌が敏感で、化粧品を変えるとお肌に反応が起きやすい人、ホルモンバランスが乱れている時や免疫力が低下しているときにお肌のコンディションが悪くなる人は、特に合成成分が配合されている化粧品はおすすめできません。
お肌にできるだけ負担がかからないように、優しい成分のものを使いたいと言う人には天然成分の化粧品はおすすめです。
5-2.化学成分が合わない肌質の人
先ほどもお伝えしたように化粧品で反応がでる人は合成成分や化学成分に反応する人が多いです。
敏感肌ではなかったとしても、乾燥がひどい人やバリア機能が低下しやすく不安定になりやすい人はいつも使っている化粧品でも、何かのきっかけで化学成分に反応してしまう可能性があります。
人によっては天然の成分でも反応が起きる可能性もありますが、化学成分や鉱物油を使用している化粧品に比較したらお肌に負担がかからず使用できます。
5-3.化粧品の香りが気になる人
天然成分の化粧品は合成された香料などが使われてないものが多いです。
香りがあっても天然由来のナチュラルな香りなので、きつい香りは嫌だけどリラックス効果が欲しいと言う人にはおすすめです。合成の香料や色素もお肌に反応が起きる可能性が高く、また、顔は体の中でも1番肌が薄い部分なので反応が起こりやすいところです。
作られた人工的な香りのものは使いたくないと言う人には自然の成分の化粧品はおすすめです。
6.天然成分の化粧品アイテム
次に天然成分の化粧品のアイテムについてお伝えしていきます。
基礎化粧品にしてもメイク用品にしても毎日化粧品は何かしらお肌に塗布します。できるだけ安全で安心なものの方が良いと思うので、天然成分のおすすめアイテムををお伝えしていきます。
6-1.化粧水
天然成分の化粧品を使うときにオススメのアイテムは化粧水です。
美容液やクリームなどはプラスアルファの特別なアイテムと考えると、化粧水は毎日使うものです。そこでたまにしか使わないスペシャルなケアよりも、毎日使う化粧水は天然成分のものが効果的です。化粧水はお肌に必要な水分を補うために使用しますが、水分量はたくさん補われるに越した事はありません。
現代では一般的に乾燥している肌の人が多く、水分不足の人が多い傾向にあります。そのため化粧水は使いすぎても問題がないといわれているアイテムです。毎日たくさん水分補給をしてあげるためにもお肌に負担がかからない化粧水を天然成分のものにすることはおすすめです。
水分量が増えることによりお肌のバリア機能を高めることができます。
6-2.日焼け止め
日焼け止めも1年中通して使用したいアイテムです。
しかし日焼け止めはお肌に負担がかかり、トラブルが起きやすいアイテムでもあります。通常の化粧品ではトラブルが起きず問題なく使える普通肌の人でも、日焼け止めは痒みが出てしまったり赤みや湿疹が出る可能性があります。日焼け止めを塗らないでいると日常生活で浴びる日常紫外線を浴び続け、シミやシワの原因になってしまいます。
お肌の負担になりやすい日焼け止めを天然成分のものに変えることで、お肌を守りながら美白効果を高め紫外線によるダメージを減らすことができます。
6-3.ファンデーション
次に天然成分の化粧品でオススメなのはファンデーションです。
ファンデーションは毎日塗らないと言う人もいるかもしれません。しかし広い範囲にすることでお肌に負担になってしまうので、例えば週末の出かける時にしか塗らない人でも負担が大きいアイテムです。
日焼け止めと同様にファンデーションで反応してしまうと言う人も多いので、できるだけお肌に負担の少ない天然成分のファンデーションはオススメです。
7.天然成分の化粧品の注意点
最後に天然成分の化粧品の注意点についてお伝えしていきます。
通常の化粧品と比較して天然成分の化粧品はお肌に負担にならずに使えるので、敏感肌や乾燥肌ではなくても普通肌の人でも問題なく使用できます。その時に注意しておきたいところをお伝えしていきます。
7-1.使用期限に注意
天然成分の化粧品はそのほとんどが防腐剤やパラベンフリーになっていることが多いです。
その理由は防腐剤やパラベンはお肌に刺激になったり負担になったりすることが多いので、刺激が少ないように配合されていないことがあります。そのため、一度開封してしまうと雑菌の繁殖や傷みが早くなってしまいます。持ちを良くする成分が使われている通常の化粧品に比べ、使用期限が早くなっているので気をつけましょう。
いくらお肌に負担になるような成分が配合されていなかったとしても、開封して時間が経ってしまい雑菌が繁殖してしまっている化粧品はお肌に負担になってしまいます。また開封するときには使用期限をしっかりと確認してから使い始めるようにしましょう。
7-2.天然成分の化粧品でも他の配合物に気をつける
次に注意したいポイントは、お肌に負担になるような成分が配合されていなかったとしても他の代用の成分が配合されている可能性があると言うことです。
一般的によく耳にすることが多い防腐剤や合成成分は排除されていたとしても、その代わりとなるような成分がお肌に負担になる可能性があります。また天然成分の化粧品でも天然成分に反応する可能性もあります。
例えば化粧品ではなくても植物に触れたときにかぶれてしまったり接触皮膚炎を起こしてしまう人は、天然成分のものでも反応する可能性はあります。かぶれや皮膚炎の経験がある人は、どの成分に反応するのかということを把握しておくと安心です。
7-3.天然成分なら必ず安心ではない
最後に天然成分と言うと安心というイメージが強いですが、先ほどお伝えしたように天然の成分でも反応起こす肌質の人もいます。
一般的に刺激やかぶれになるような成分が少ないというだけで天然の成分を使用した無添加化粧品、自然派化粧品、オーガニック化粧品が全て安心というわけではありません。無添加化粧品なのに反応が起きてしまったということもありますし、無添加ではない化粧品でもお肌と相性が良く、使い心地が良い場合もあります。天然成分イコール必ずしも安心ではないという事は覚えておきましょう。
8.まとめ
今回は天然成分の化粧品についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?天然成分というとお肌に良いイメージがありますが、なんとなくでしかわかっていなかった人も多いと思います。
合成成分は控えめでも、お肌に必ずしも負担がないわけではないので、天然成分の化粧品だからといって安心せずに上手に付き合っていきましょう。