化粧品による肌トラブルを経験したことがあるでしょうか?現代では化粧品の成分も良いものへと変化してきていますが、数十年前は「化粧品裁判」と言われる裁判がおこるくらい、化粧品での肌トラブルが多くありました。肌質は人それぞれ違います。同じ化粧品を使ってもトラブルが起きやすい人、起きにくい人がいます。今回は化粧品による肌トラブルについて、どんな種類があるのか、トラブルが起きた時にはどんな対応をしたらよいかなどをお伝えして行きます。
目次
1.化粧品による肌トラブルとは?
2.化粧品による肌トラブルの種類
2-1.化粧品かぶれ
2-2.アレルギー反応
2-3.接触性皮膚炎
3.化粧品による肌トラブルの原因
3-1.ターンオーバーの乱れ
3-2.アレルギー接触皮膚炎
3-3.免疫低下・体調不良
4.化粧品による肌トラブルの対処方法
4-1.すぐに反応が出た場合
4-2.数日後に反応が出た場合
5.化粧品による肌トラブルになりやすい成分
5-1.紫外線吸収剤
5-2.鉱物油
5-3.パラベン・防腐剤
5-4.香料
5-5.色素
5-6.エタノール
5-7.石油系昇面活性剤
6.化粧品による肌トラブルの判断基準
6-1.かゆみ・ムズムズがある
6-2.蕁麻疹や赤い発疹がある
6-3.ヒリヒリして沁みる
7.まとめ
1.化粧品による肌トラブルとは?
化粧品による肌トラブルとは、新しい化粧品を使った時にお肌が刺激物だと反応してかゆみやかぶれ赤み、湿疹などが起きることです。化粧品による肌トラブルは一般的に「接触性皮膚炎」と言われています。特定の成分が肌に触れることにより、接触した部分が赤みや湿疹かゆみなどが起こることです。普段使っていて問題なく使えていても、免疫力が低下しているときは反応しやすくなる場合もあります。化粧品を使い始めてからすぐに反応が出るケースと、しばらくしてから症状が出るケースがあります。化粧品の違いによるお肌の反応があった場合、そのまま使い続けると症状が悪化したり色素沈着を起こすことがあるので違和感を感じたらすぐに使うのをやめましょう。
2.化粧品による肌トラブルの種類
最初に化粧品による肌トラブルの種類をお伝えしていきます。お肌が敏感で化粧品以外にも反応してしまう人もいます。化粧品を使って起こるトラブルはどのようなものがあるのでしょうか。詳しくお伝えしていきます。
2-1.化粧品かぶれ
まず最初に多いのが化粧品かぶれです。化粧品かぶれは特別お肌が敏感ではなくても誰にでもなりやすいトラブルです。化粧品に含まれている成分によりかぶれを起こしてしまいます。これは化粧品自体の成分に反応してかぶれることもありますし、その化粧品を使った後に紫外線に当たることで紫外線と反応してかぶれを起こす可能性もあります。お肌に塗布するものでおきる可能性があるので、化粧品はもちろん、化粧品以外にも塗り薬や目薬、洗濯洗剤などでかぶれる人もいます。
2-2.アレルギー反応
次に多いのが化粧品に含まれる何かしらの成分に反応しアレルギー反応を起こすことです。特定の成分を異物として判断してしまい、体の免疫システムが反応してかゆみや赤みヒリヒリなどのアレルギー反応を起こします。アレルギーは人それぞれが持っているアレルギーカップがあふれると症状が起きてしまうので、今まで問題なく使えていた化粧品でも、自分のアレルギーカップのキャパを超えてしまうことで突然反応が起きる場合もあります。
2-3.接触性皮膚炎
接触性皮膚炎は外敵からお肌を守るためのバリア機能が低下しているときに、外からの刺激に肌が敏感に反応してしまう状態です。通常問題無く使える化粧品でも、バリア機能が低下していることにより、かゆみや赤み、ヒリヒリやむずむずの原因になってしまいます。生理前のお肌が敏感な時期や花粉症で免疫力が低下しているときなどは、同じ化粧品でも刺激を受けやすく反応が起こりやすいです。
3.化粧品による肌トラブルの原因
次に化粧品による肌トラブルの原因についてお伝えしていきます。化粧品による肌トラブルは誰でも起こるトラブルなので覚えておきましょう。
3-1.ターンオーバーの乱れ
化粧品による肌トラブルで最初に考えられるのがターンオーバーの乱れです。お肌は本来28日周期で生まれ変わっています。お肌は細胞分裂を繰り返しお肌の表面に上がっていきます。そして表面の角質層に14日間滞在します。その後剥がれ落ちてお肌が生まれ変わっています。古くなった角質細胞が剥がれ落ちず、表面に長い時間とどまってしまうとお肌に必要な保湿成分や細胞に栄養を運んでくれる細胞間脂質が作られにくくなります。その結果お肌を保護する能力が低下し、外からの刺激を受けやすくなってしまい化粧品にも反応してしまうことになります。
3-2.アレルギー接触皮膚炎
先程お伝えしたように、化粧品の成分に反応すると体の免疫システムが異常だと判断し、アレルギー反応を起こす可能性があります。化粧品は一見無色透明に見えることが多いです。中には乳白色のものやクリーム状のものもありますが、その成分が目に見えてわかる訳ではありません。そのため、どんな成分で作られているか分からず顔に乗せてしまうと反応を起こしてしまう場合があります。アレルギー反応を起こすとヒリヒリ、かゆみ、赤い発疹、乾燥などお肌のコンディションが悪くなります。化粧品でアレルギー反応を起こしたことがある人は、お肌の反応を避けるためにも新しい化粧品を使うときにはパッチテストをすることをおすすめします。
3-3.免疫力低下・体調不良
お肌の状態だけではなく体の免疫力が低下しているときや、体調不良の時は化粧品によるトラブルも起きやすくなります。睡眠不足が続いていると寝てる間に修復されるはずの細胞が修復されずに元気がないお肌の状態になってしまいます。また生理前の不安定な時や体調が悪いときは免疫力が低下しているので、普段使っている化粧品でも反応を起こす可能性があります。
4.化粧品による肌トラブルの対処方法
次に化粧品による肌トラブルが起きてしまった場合の対処法をお伝えしていきます。化粧品による肌トラブルは放っておくと症状が進行してしまったり、色素沈着して跡になってしまう可能性もあります。条件が揃うことで化粧品の反応が起こりやすくなってしまうので、万が一化粧品によるトラブルが起きた時のために対処法も覚えておきましょう。
4-1.すぐに反応が出た場合
化粧品で肌トラブルが起きる場合、使用してすぐ反応する場合と時間が経ってから反応する場合があります。まず化粧品の成分に反応して赤みが出たりかゆみが出たりする場合は、化粧品の使用を中止して反応した部分を水で洗い流し、冷たいタオルや冷たいコットンで冷やして沈静しましょう。冷やすことでかゆみや赤みはおさまることもありますが肌トラブル自体が解消されているわけではないので、皮膚科や医療機関を受診しましょう。化粧品の使い方が間違っている時もあるので、使い始める時には正しい量や正しい使い方で使うようにしましょう。
4-2.数日後に反応が出た場合
化粧品を使い始めて時間が経ってから反応が出た場合、お肌のバリア機能が低下している可能性があります。季節の変わり目や花粉症、アレルギーや引っ越し、環境の変化など何かしらいつもと違うことが起こり、お肌が外からの刺激に敏感になってしまっています。かゆみや赤みが出た場合は冷たいタオルやコットンで冷やして落ち着くのを待ちましょう。かゆみや赤みがひどい場合は、皮膚科や医療機関を受診しましょう。睡眠不足や生活、食生活の乱れなども影響するので、規則正しい生活や食生活も意識するようにしましょう。
バリア機能低下 |
アレルギー 反応 |
免疫力 低下 |
かぶれ |
接触性 皮膚炎 |
オススメ度 |
|
鎮静 |
◯ |
◎ |
◯ |
◎ |
◎ |
★★★★★5点 |
水分補給 |
◯ |
◯ |
◎ |
◯ |
◯ |
★★★★☆4点 |
保護 保湿 |
◎ |
◯ |
◎ |
◯ |
◯ |
★★★★☆4点 |
パッチ テスト |
◯ |
◎ |
◯ |
◎ |
◎ |
★★★★★5点 |
5.化粧品による肌トラブルになりやすい成分
次に化粧品に配合されていて、トラブルを起こしやすいといわれている成分についてお伝えしていきます。この成分が使われているからといって必ずしもお肌に反応がある訳ではありません。しかしお肌のコンディションによっては反応が起きる可能性があるので注意してみましょう。
5-1.紫外線吸収剤
紫外線吸収剤はお肌が反応する成分の一つです。主に日焼け止めに使われていますが、日焼け止め以外にも下地やファンデーションなどにも使われている場合もあります。日焼け止めに反応してかゆみが出やすい人はこの紫外線吸収剤に反応している可能性が高いです。紫外線を反射させお肌に浸透するのを防ぐ効果がありますが、紫外線と触れ合い活性酸素を発生させ肌を酸化させてしまうというデメリットがあります。最近ではお肌に優しい成分の化粧品の開発も進んでいるので、紫外線吸収剤不使用という化粧品も増えています。
5-2.鉱物油
鉱物油はお肌を保護する役割があるので化粧品に使われていることが多いです。特に保湿効果の高いクリームや保湿剤に使われています。オイルの成分なのでお肌に膜を張ります。これは外からの刺激から肌を守るために使われているのですが、お肌に膜を張ることによりお肌の生まれ変わりを妨げてしまったり、バリア機能も低下させてしまう可能性があります。また脂分が毛穴に詰まりやすく、肌トラブルを起こしてしまったり、クレンジングなどでしっかり落とし切れず毛穴に蓄積してしまいます。
5-3.パラベン・防腐剤
パラベンは化粧品によく使われている防腐剤です。これは化粧品を開封して酸素に触れることにより酸化して傷みが速くなるのを防ぐために使われています。しかし人体に悪い影響があり発がん性などが疑われています。また顔に付けることで刺激になってしまい、反応してかゆみやヒリヒリ、赤みなどが出てしまう人も多いです。最近ではパラベンや防腐剤の有害性があることがわかってきたので、パラベンフリーや防腐剤フリーという化粧品も多くなっています。
5-4.香料
香料は一言でいうと香水と同じで化粧品に人工的に付けられた香りのことです。顔に香水を付ける人はいません。そのため化粧品に含まれる香料の成分が原因で肌に反応を起こしてしまう人も多いです。
5-5.色素
色素は絵の具と同じです。主にメイク用品に使用されていて、ファンデーションやアイシャドウ、リップなど色がある物に使われています。色素には化粧品に使っていいものと使ってはいけないものがあり、化粧品に使って良いとされるものは限られています。しかし化粧品に使ってはいいと表記されているものの、お肌が敏感だったり調子が悪い時には反応を起こしてしまう可能性があります。
5-6.エタノール
エタノールは主に化粧水などのスキンケア用品に使われていることが多いです。お肌の引き締め効果や収れん効果などが期待できます。防腐剤としての効果もあり化粧品に使われていることがありますが、お肌がデリケートなときや不安定な時には刺激になってしまう可能性があります。最近よく耳にする防腐剤フリーなどという化粧品はエタノールも入っていませんと表示されることが多いです。
5-7.石油系界面活性剤
界面活性剤は水分と脂分を混ぜ合わせるために使われています。界面活性剤はクレンジングや洗顔などに使われることが多いです。油分が多いメイク用品は、お肌に優しいクレンジングでは落ちにくいからです。界面活性剤のお肌への負担は気になるところですが、種類によっては基礎化粧品に必要な成分でもあるので、界面活性剤は石油系ではないものが使われているアイテムを選ぶのがおすすめです。
6.化粧品による肌トラブルの判断基準
化粧品による肌トラブルは自分では判断できない場合もあります。化粧品に反応しやすい人は何に反応しているかも分かりにくいです。次は化粧品による肌トラブルの判断基準になるポイントをお伝えしていきます。
6-1.かゆみ・ムズムズがある
新しい化粧品を使い始めてから、かゆみやムズムズがあったら化粧品に反応している可能性があります。スキンケアのアイテムは顔全体に使うことがありますが、メイク用品はポイント使いをすることが多いです。アイシャドウを塗ったまぶたの上だけがかゆい、リップを塗った口の周りだけが違和感がある、など使った部分に反応がある場合はその化粧品に反応している可能性が高いです。すぐに使うのをやめてお肌を鎮静しましょう。
6-2.蕁麻疹や赤い発疹がある
化粧品による肌トラブルは、塗布した部分に赤い発疹が出てくる可能性があります。目の上やほほなど皮膚が薄いところほどダメージを受けやすいので、化粧品を使ってすぐに反応が出たら反応している可能性があります。蕁麻疹やプツプツとした赤い発心もかゆみを伴う場合が多いので、すぐに使用中止して鎮静しましょう。
6-3.ヒリヒリして沁みる
赤みやかゆみと同時にヒリヒリするという反応が起こる場合があります。ヒリヒリする場合はお肌のバリア機能が低下し保護する力が弱っている可能性が高いです。この場合新しい化粧品はもちろん、普段使っている化粧品もヒリヒリしてしまう可能性があります。ヒリヒリしている場合は冷やして鎮静することと、お肌に刺激の少ない保湿クリームや保護する役割のものを使用してバリア機能をサポートすることが大切です。
7.まとめ
今回は「化粧品の肌トラブル」についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?クレンジングや洗顔などの基礎化粧品もメイクする際のアイテムも、化粧品は毎日何かしらお肌に触れています。毎日何気なく使っている化粧品でも突然お肌に反応を起こしてしまう可能性があります。お肌を綺麗にしたくて使う化粧品なのに、その化粧品が原因でトラブルが起きてしまっては残念です。そのためにも日頃から刺激に負けないお肌作りをして、バリア機能を高めていきましょう。